ひとつの音なのに、たくさんの音が聞こえる不思議
「倍音」という言葉を聞いたことがありますか?
音楽を聴いたり、楽器を演奏したりするとき、実は私たちが聞いている音には秘密が隠されています。
ひとつの音を出しているはずなのに、その中には実はたくさんの音が含まれているのです。
これが「倍音」と呼ばれる不思議な現象です。
ピアノの「ド」を弾いてみると
例えば、ピアノで「ド」の音を弾いてみましょう。
私たちの耳には「ド」という一つの音が聞こえますよね。
でも実は、その「ド」の音の中には、高い「ド」や「ソ」や「ミ」など、たくさんの音が同時に鳴っているのです。
ただし、それらの音はとても小さく控えめに鳴っているので、普段は気づきません。
この隠れて一緒に鳴っている音たちが「倍音」なのです。
なぜ楽器によって音色が違うのか?
同じ「ド」の音でも、ピアノとバイオリンでは全然違う音に聞こえますよね。
その理由は、倍音の出方が楽器によって違うからです。
ピアノは倍音がはっきり出て、バイオリンは柔らかい倍音が出ます。
つまり、楽器の個性や温かみは、この倍音が作り出しているのです。
人の声にも倍音がある
実は、人の声にも倍音がたっぷり含まれています。
お母さんの声が安心できるのも、友達の声がすぐに分かるのも、一人ひとりの倍音が違うからです。
歌が上手な人の声は、倍音が豊かでバランスよく出ているため、聞いていて心地よく感じます。
赤ちゃんがお母さんの声で落ち着くのも、倍音が心に直接届くからだと言われています。
倍音があなたに与える力
倍音の豊かな音を聞くと、心が落ち着いたり、集中できたりします。
お寺の鐘の音や、シンギングボウルという楽器の音は、特に倍音が豊かです。
仏教では古くから、この倍音の力を使って心を整えてきました。
科学の研究でも、倍音の多い音を聞くとリラックスできることが分かってきています。
身の回りの倍音を感じてみませんか
倍音は特別な音ではなく、私たちの周りにあふれています。
風鈴の音、お風呂で歌う声、グラスを指でこすった時の音、すべてに倍音が含まれています。
これからは「この音、倍音が豊かだな」と感じながら音を聞いてみてください。
音の世界が、もっと豊かで楽しいものに変わるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
